ふくチャンネル ピエゾICSI

** 培養士コラム **

 

 

第4回目はピエゾICSIについて紹介します。

 

 

ICSIには非常に細いピペットを2種類使用していることを前回お話ししました。

 

 

↑こちらの写真は、左側が卵子を固定する用のピペットで、右側が精子を注入する用のピペットです。

 

今回は右側の精子注入用のピペットに注目してお話します。

 

従来のICSIでは注射針のように鋭利な先端をしたものを使用し、卵細胞膜を吸引することで貫通・精子注入を可能にしてきました。

 

しかしながら、加齢した卵子のようにストレスに弱い卵子にはダメージが大きいため受精しなかったり、受精できたとしてもその後の発育が悪かったりしました。

 

そこで現在、主流になってきたのがピエゾICSIです。

従来と違う点はまず、ピペットの先端が平らになっていることです(イラストを見て下さい。茶色いのはゴミじゃなくてパルスです)。

 

 

ピエゾICSIではパルスという超微振動をピペットに伝わせて、透明帯の穿孔・卵細胞膜の貫通を可能にしているのでピペットが鋭利である必要はなくなりました。

 

この方法は従来の方法に比べて物理的なダメージが小さくなるように設計されているため、ピエゾICSIの方が受精やその後の培養結果が良かったという報告があります。

 

 

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以上、今回はピエゾICSIについてご紹介させていただきました!

次回もまた後日更新しますので是非チェックされて下さい★